天皇賜杯千葉県大会開幕!今季A昇格、南関東日野自動車は逆転負けで初戦敗退/大会1日目/千葉県総合SC野球場/写真ルポ

天皇賜杯千葉県大会開幕!今季A昇格、南関東日野自動車は逆転負けで初戦敗退/大会1日目/千葉県総合SC野球場/写真ルポ

本日(6/15)、千葉県総合SC野球場と長嶋茂雄記念岩名球場にて、天皇賜杯千葉県大会が開幕しました!
千葉県総合SC野球場(以下、天台)では第2試合に棄権チームが出て、2試合に。どちらも点差以上に熱戦になりました。

※写真の二次利用・転載はいかなる場合でも禁止です

第1試合 南関東日野自動車 vs JAいちかわ

南関東日野自動車
200 000 000|2
033 000 20X|8
JAいちかわ
(南)阿部、加瀬ー大熊、大木
(J)岡本、加藤ー唐橋

第2試合 レゾナック松戸 vs フジクラ

フジクラ
000 000 010|1
000 120 11X|5
レゾナック松戸
(フ)伊藤、筒井ー川口
(レ)古澤ー中村

あとがき

国体予選から10日ほど。
天皇賜杯千葉県大会が始まりました。あっという間。

国体予選は狭き門ですが(シードチームの他は支部予選を勝ち抜かなければならない)、天皇賜杯の県大会はAクラスのチームすべて出場できるので、国体予選で見ることができなかった楽しみなチームもたくさん登場します。

南関東日野自動車、初めての天皇賜杯予選

今年一番の注目は、昨年度の高松宮賜杯で準優勝し悲願の昇格を果たした南関東日野自動車。

2018年、試合も見たことなく面識がなかった私に撮影依頼をしてくださったのが南関東日野自動車(当時は千葉日野自動車)野球部でした。
そのご縁でみなさんと出会い、Aクラス昇格を目指して頑張っていたみなさんをずっと応援してきました。日野のみなさんと出会えて、Bクラスの試合も足を運ぶようになりました。

昇格目前で感染症により大会が相次いで中止。足踏みする時間が長く続き、厳しい時間も過ごしました。
ようやく昨年、3年ぶりに千葉を制し全国大会出場。
全国大会決勝進出が昇格の条件。みなさんはこれまでの鬱憤を晴らすかのごとく、のびのびいきいきと全国を勝ち上がり、昇格王手をかけた準決勝は逆転勝ちで昇格を掴み取りました。

長野まで行き全試合撮影した私は、現地でみなさんと号泣。本当にうれしく、忘れられない瞬間となりました。

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sannippa328.com
その時の記事です

そんな彼らの、初めての天皇賜杯予選。

Cクラス時代から主軸でチームを支えてきた藤崎選手の2ランで先制という、なんとも劇的な幕開け。Aクラスで戦うことを一番望み、歯を食いしばってやってきた選手です。初打席で大仕事を成し遂げてしまう精神力、集中力、技術に脱帽!

相手はJAいちかわ。国体予選では2年連続対表決定戦に残った強豪です。組み合わせを見た時に「なんてくじ運悪いんだ……」と思わず嘆いてしまいましたけど、強い相手としっかり戦えたことは良かったと思います。必ず今後の糧になります。

藤崎選手は「勝てなかった」と悔い、藤崎選手同様Cクラス時代からチームを支えてきた有田選手も「怪我でこの日に万全に合わせられなくて、そういうところです」と自らを責めました。
JAいちかわとは練習試合も多くしていたそうですが「やはり大会では全然違いました。場慣れしているというか……」と有田選手。
でも、私はAクラスでもやれるという手応えは感じたのではないかなと。
救援したチーム最年長の加瀬投手は「限界外して投げました。もう体中痛い!」と笑っていましたが、ベテランらしい投球で相手打者を翻弄。「130キロ出ればいいんだよ」これぞ軟式野球の投球という、お手本を見せてくれた気がします。

「AKIRAだって、初めはこうだったんだから」と藤崎選手。
いまや全国屈指の強豪となったAKIRAも、昇格1年目の県大会(国体予選)は千葉銀行に2-9で敗れ初戦敗退だったことを例に挙げて「ここからだよ!」と前を向いている姿に頼もしいなと感じました。

次は来年度の国体千葉県予選会をかけた千葉支部予選が7月から始まるそうです。
いま、主力に怪我人も多いようで心配ですが、ぜひ支部予選突破していただき、来年は国体と天皇賜杯と両方の大会でみなさんにお会いできることを期待しています。

社名変更、新ユニフォームで躍動。レゾナック松戸

昭和電工マテリアルズからレゾナックに社名が変わり、ユニフォームもこれまでの赤から紺に。全く別のチームのようでしたが、みなさんはお変わりなかった!(国体予選も出場されていましたが拝見できなかったのでようやくです)

前の前の名前、日立化成の頃から人数は少なくてもみなさん元気いっぱい魅力的なチームで、勝手に注目して応援していました。特に、監督の高田さんが誰よりも声を出し体を張ってプレーする姿が印象的で。

2年前の天皇賜杯千葉県大会。
高田監督の姿はベンチになく、Tシャツ姿で私に声をかけてくださいました。当時、首のヘルニアで休部中。「まだまだ野球やりたいので来年は必ずユニフォームを姿でお会いしましょう」と話してくれたことを鮮明に覚えています。

高田監督とはその時いろいろお話させていただいたのですが、その内容は復帰されて私がユニフォーム姿を再び見ることができた時、必ず記事にしようと思ってずっとメモアプリに書いたまま残しておいたんです。ついにその日が来ました。

休部中は「選手たちに任せて口出ししないようにしていた」とのこと。熱心にメモを取りながら試合を見ていた高田監督は「コロナ禍で全体練習もままならず、それでも各自がしっかり準備していたのだろう」と選手たちを誇らしそうに眺めていらっしゃいました。

「会社のバックアップがあって野球ができるのは最高です。高卒で入ったころはなかなか気が付きませんでした。その重みを伝えすぎて、選手たちが固くなってしまうこともありました。20歳で主将、30歳で監督に。見ていて気持ちの良いチームになろうと今までやってきました。すごい選手たちが揃う(松戸)市役所と試合ができるのが本当に楽しみだしうれしい。(松戸)支部の全チームが市役所とやりたいと思っているはずです」

私は「見ていて気持ちのいいチーム」だったからすぐに魅かれました。監督のなろうと思っているチームにちゃんとなってますよ!!!と強く言いたいです。

たとえ強豪でなくても、魅力があるからまた見たいと思う

今回書いた南関東日野自動車もレゾナック松戸も、はっきり言って強豪チームではありません。うまいからとか、強いからとか、私が見たいチームはそういうチームじゃない。キラリと光る、魅力あるチームが見たいし撮りたいんです。

選手たちは勝つために一生懸命ひたむきに取り組んでいますので、弱くてもいいと言ってるわけではありません。ただ、結果はあとからついてくるものだし、出てしまうもの。まずはやるべきことをやる。それだけではないでしょうか。
私は過程を大切にして撮影しているので、変な言い方ですが負けたっていいんです。それは結果でしかない。そこまでにどれだけやったか、悔いなくやれたか、頭をフルに使って、心を燃やしてやりきれたかどうか。結局、それが次につながるし結果として出てくると信じています。

そして、勝ちも負けも喜びも悔しさも、ありのままに残す。
それが私の、サンニッパの”写真で魅せる野球”です。

国体予選の時、京葉銀行の長谷川監督が試合前の円陣で「見ている方の心を震わせる試合をしよう」と言っていたのが聞こえた時、鳥肌が立ちました。
どうしたら見ている方の心に届くか。
それはやるべきことをやり、悔いなくやりきることだけじゃないかなって思います。自分たちの目標に進んでいく過程、そこに魅力があるし、見ている方に届くのは勝った負けただけではないはずです。

県大会の1回戦は確かにすごい速い球を投げるとか、ホームランが出るとか、そういう目線で見たらつまらないかもしれません。だけど、私は選手たちの声を聞き、目を見て、プレーの一挙手一投足にカメラをむけていると伝わってくるものはたくさんあるのですごく魅力的。たくさん伝わってくるチームは、また見たいな、応援したいなと夢中になるわけです。


今回はあとがきが長くなってしまいましたが(別途3本くらい記事書けそうな分量)あえて、ここに書きました。いろんな方に、知って欲しかったから。チーム別のエピソードにすると、興味ない人、知らない人の目に触れることが少なくなりそうで。

まだまだ天皇賜杯千葉県大会は始まったばかり。
引き続き熱戦を期待します!

いつも見てくださるみなさま、最後までお読みいただきありがとうございました。

時折雨もちらつきましたが、無事2試合終わりました



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