《エピソード》苦しんだ3年間。来季へ希望が見えたマウンド|京葉ガス・中重拓巳投手

《エピソード》苦しんだ3年間。来季へ希望が見えたマウンド|京葉ガス・中重拓巳投手

試合レポートではない、選手やチームなど焦点を当てた話《エピソード》です。


京葉ガス、3年目の中重投手。
千葉県選手権の準決勝で8点リードの6回1イニングを無失点で抑えました。

中重投手とはちょっと不思議な縁があり、京葉ガスに入る前から楽しみにしていた選手でした。

西武台千葉高校から新潟医療福祉大学へ進んだ中重投手。

私の大学(順大)同期で、同じソフトボール部で主将をしていた友人が新潟医療福祉大学で教員兼硬式野球部のトレーナをしていました。彼女から「うち(新潟医療福祉大学)の野球部から京葉ガスに入る子がいるからよろしくね」と連絡があったのです。

私がたまたま千葉で社会人軟式野球を撮影していたこと、同級生が新潟の大学で教員兼トレーナをしていたこと。なかなか結び付きそうにないことが、本当に偶然つながりました。野球のご縁は素晴らしい。

ふたりで中重投手のこれからを楽しみにしていました。
しかし1年目の、確か国体千葉県大会の初戦(習志野市役所)だったと思うのですが、結果を見たら京葉ガスが大敗していて驚いたのです。その試合で中重投手が先発。かなり打ち込まれてしまい、それ以降うまく投げることができなくなってしまったようです。

球場で会えばいつも笑顔で声をかけてくれる中重投手でしたが、言葉の端々から焦りや不安が感じられました。痛めている個所もあったとのこと。私には何もできないので、きっかけをつかんでくれたらいいなあと願うばかりでした。

昨季の終わりか今季の始めか記憶が定かではないのですが、「だいぶ投げられるようになった」という言葉と晴れやかな表情がありました。「もう3年目なのでそろそろちゃんと(活躍)しないと」。
実際、公式戦での登板を私はまだ目にしておらず、今季はこれまでブルペンでの投球だけですが、しっかり投げられてましたので安心しました。

そしてついに中重投手が公式戦で投げる日に立ち会えたのです!

多少、球がばらつくこともありましたがそれも持ち味と前向きにとらえてよいのではないでしょうか。しっかり腕を振って力を込めてマウンドで躍動する姿が見られ「本当によかったなあ」と胸がいっぱいでした。野手のみなさんも中重投手を盛り立てようとかなり声をかけていたように思います。

最後を締めた中重投手(右から2人目)表情は控えめでしたが、大きな一歩になりました

この日のマウンドは来季への希望のマウンドになったに違いありません。

今年京葉ガスでは6年目の沢井投手が大きな成長を見せてくれました。中重投手も道半ばだとは思いますが、まだ始まったばかりです。人それぞれ、花咲くタイミングは違って当然なので一歩ずつ進んでいってほしいです。

これからも友人とともに、中重投手を応援していきます!!

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