準決勝 第1試合 ゴリラクリニックベースボール(東京第1)7x−0 和合病院(前年度優勝)*7回コールド
準決勝 第2試合 静岡ガス(静岡)3−1 六花亭(北海道)
あとがき
第1試合は昨年の決勝カード。
私はこの試合でゴリラクリニックの箭内投手に魅了されてしまって。とにかく絵になる。とってて楽しい。シンプルにかっこいい。球が速いとか、そういうことはどうでもよくて(どうでもいいと言ったらあれだけど)、投手としての気概みたいなものが全身から溢れてて。
決勝で敗れ、面識もなかったけど話を聞きたくて、チーム関係者の方に呼んでいただきました。その時の話は記事に書いたので割愛しますが、とても丁寧に気持ちを話してくださって、また大きな大会で箭内投手のピッチングを見れるのを楽しみにしてました。
そして1年ぶりに撮影できる機会がやってきました。前回と違うのはクレバーさを感じたこと。最大の武器である真っ直ぐに頼りきらない、勝てる投球をしているなと感じました。
試合後、今日のピッチングのことを聞きたくて、また呼んでいただきました。箭内投手、私のことを覚えててくれました。よかった(泣)
「思い通りに自分のピッチングが表現できました」
これが第一声だったんだけど「表現」という言葉選びが素敵だなと思って。まるで作品を紡いでいるかのよう。ピッチャーって自分の理想のピッチングというのは誰でもあるのだと思うけど、思い描いた通りにできる試合ってどれだけあるのだろう。
「自分のデータで真っ直ぐというのは頭にあるはず。欲を出さずに変化球を多めにして1、2球真っ直ぐを投げるだけいい。それで十分(真っ直ぐが)チラつくと思ったから」
真っ直ぐは全体に2割程度だったそうで、最速も今日は145にも届いてない。それでも7回無失点9奪三振と圧巻の投球。
「点を取ってくれたので、本当にありがたかった。もし昨年みたいに接戦だったら力で行ってたかもしれない」
すごく大人なピッチングができたね、と私が言うと「昨年は子供でした(笑)成長できたと思います」と笑顔でした。ステージが確実に上がってる。そんな感じがしました。
「体力的にもすごく楽です。明日も行きます」と最後は力強く締めてくれました。なので私も「明日は勝ってお話が聞けることを願ってます」と伝えました。
昨年は負けて聞いた話だから終始表情も固かったけど、今年は勝っていたこともあったし、はじめましてではなかったからなのか、とても気さくで人懐っこい選手なのだと感じました。マウンドにいるときと全然違う。
「来年また日本一に挑戦します」と昨年宣言した、その日本一まであとひとつです。
互いに凌ぎ合い、痺れる展開の第2試合。
地元開催の天皇賜杯で優勝を目指す静岡ガスの、負けられないという気持ちがわずかに上回ったのかな。
接戦だったので私は一塁側のカメラ席から動けず、ずっと静岡ガスベンチの声を聞いてましたけど、やはりベンチワークが素晴らしいですね。仲間に勇気を与える声っていうのかなあ。全員で戦っている感じがあるんですよね。誰も置いてかれてない。
六花亭・多和田投手のボールが素晴らしすぎて「張ってても手が出ない。ナイスボールすぎる」っていう声が聞こえたとき、みなさん素直だなって思ったし、対戦を心から楽しんでいる感じが伝わってうれしくなってしまいました。
六花亭のベンチもみんなで束になって向かっていく感じがあり、見ていて清々しかった。野手を迎えるのに全員でベンチ飛び出してくるのとかも、絵になるし、そういうの大好きです。静岡ガスもそう。なんかもう、天皇賜杯の準決勝くらいまでくると楽しんだもん勝ちって感じさえします。
点数は入ってないのに、攻防がありすぎて写真が増えてしまいました。0点の中身が濃すぎたんですよね。互いに守備も良くて、最後六花亭にちょっと綻び出ましたけど。どちらにどう転んでもおかしくない試合展開に、私もずっと集中してたので終わった時はものすごい疲労感でした……。
明日いよいよ決勝戦です。
私もここまできたら楽しむだけです。こんなに素晴らしい大会を撮影できていることに感謝して、喜びも悔しさも全部、選手たちの最高にかっこいい瞬間を残します!
4日連続7試合登板(撮影)続いていて、今日準決勝2試合目の途中から握力が限界に達したのですが、気力で行きました。試合も素晴らしかったし!
ホテルに戻ってから猛烈に集中して、写真整理頑張りました。目は痙攣しているし、若干頭がオーバーヒート気味でやばいです。が、なんとか決勝前に書き終えることができてホッとしています。
この2試合は私が見せたいものが見せれたという満足感もあります。
「選手の目線、感情、ストーリーに想いを馳せながら撮影しています」
これがGALLERY 328で見せる作品です。
現地にいた方も、来れなかった方にも、プレーしていた選手たちも、鮮明に試合を思い出して感じられるような写真を目指しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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