7月1日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸で行われた天皇賜杯茨城県大会決勝は筑波銀行が7対3で昨年度優勝の常陽銀行を下し、前身の茨城銀行時代以来16年ぶり2回目の優勝を果たしました。現社名では初の頂点。2010年、合併により現社名になってから準優勝4度。悲願の優勝です!
あいにくの空模様でしたが、熱戦の様子を写真で振り返ります。
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決勝 常陽銀行 vs 筑波銀行
筑波銀行
300 130 000|7
100 001 010|3
常陽銀行
(筑)征矢、河井ー星
(常)加賀屋、佐藤、上野ー柄目
[試合経過]
筑波銀行は1回表、四死球で得た1死一二塁の好機に4番・福岡選手が先制の適時打。続く5番・星選手の中前打で1死満塁とし、6番・根本選手の高く弾んだ遊ゴロで三走の秋川選手に続き、二走の福岡選手も一気に生還。3点を先行する。
その裏の常陽銀行も連続四球で好機を得るも、内野ゴロの間に1点を返すのみ。筑波銀行のレフト長谷川選手の攻守に阻まれる。
4回表、筑波銀行は2死で一塁に死球の走者を置き、9番・長谷川選手の右中間を破る適時二塁打で追加点。さらに5回表には福岡選手の3ランが飛び出し、7対1と常陽銀行を突き放す。
追いかける常陽銀行は6回に1死から四球と盗塁に悪送球が絡み三塁まで進むと4番・鶴見選手の右翼線抜けそうな当たりを筑波銀行のライト秋川選手が好捕。犠飛での1点にとどまる。8回裏にも鶴見選手が2死三塁から適時打を放つも反撃はここまで。
筑波銀行は先発の征矢投手が6回2失点。7回から河井投手が追い上げを1点でしのぎ、試合終了。昨年決勝で敗れた相手に雪辱を果たす。常陽銀行は好調だった打線が振るわず、相手好守や盗塁死、併殺など最後まで流れを呼び込めなかった。
あとがき
筑波銀行の名前では初優勝
昨年の天皇賜杯茨城県大会決勝も取材させていただいたので、逆転負けでがっくり肩を落とす筑波銀行のみなさんのことはよく覚えていました(昨年の記事はこちら)。
今年は国体予選で優勝。勢いそのままに2冠達成。本当におめでとうございます!
筑波銀行の試合は1試合しか見ていませんし、知っている選手もおりませんのであれこれ書けませんが、投打のバランスが非常に良いチームなのかなと感じました。内外野の守備も素晴らしかったことは、写真で伝わっているかと思います。
大会パンフレットの後ろに記録が載っていたので見ていたら、前身の茨城銀行時代に優勝があるものの、2010年に合併により筑波銀行に名前が変わってからは初優勝なんですね!(筑波銀行の誕生について、調べました!)
筑波銀行の名前になってからは準優勝4度と悔しい思いが多かったと思います。2020年に優勝した原子力科学研究所の辞退により繰り上がりで天皇賜杯出場があるものの、優勝して乗り込む全国の舞台はまた違うことでしょう。
茨城の負けたチームの分まで全国で大暴れしてきてください!!
1年目同士の息づまる対決
決勝の先発を任された筑波銀行・征矢投手は社会人1年目だそうで、初回は緊張もあったのか連続四球を出してしまい、自らを落ち着かせるようなしぐさも。常陽銀行の4番、こちらも1年目の鶴見選手を打席に迎えた場面では力の入った投球を見せてくれました。
征矢投手が清和大、鶴見選手が敬愛大出身を伺っています。ふたりとも千葉の大学で、対戦もあったこと思います。これからもずっとライバル同士、名勝負を繰り広げてほしい。ずっと千葉を中心に活動している私なので、ふたりのことは注目していきますし、対戦も楽しみにしたいです。
清和も敬愛もずいぶん昔にたくさんお世話になった大学なので、勝手に親近感を抱いております。
痛みを押して最速更新
常陽銀行、2番手でマウンドにあがったのは佐藤選手でした。
決勝のスタメンマスクはベテランの柄目選手。佐藤選手は肘に痛みをかかえているそうで、この日は救援登板を優先してベンチスタートでした。
4回からマウンドにあがり、最速の142キロを掲示。マウンドでの姿は初めて見たのですが、初球から140キロ台連発していて驚くばかり。肩のいい捕手ってこれだけ投げられるのか!と。ずっと練習で打撃投手はしていたそうですが、本格的に投手の練習始めたのは4月からとのこと。
「4回の1点が痛すぎました。ホームランは前のファールと同じところに投げてしまって、もっていかれました」と試合後冷静に分析していた佐藤選手。肘の痛みは痛み止めとアドレナリンで感じなかったそうです。
投手として話を聞くのが不思議すぎて……強肩の捕手でいて左右どちらの打席でもスタンドに運ぶ打力もあり、投手としても140キロ超える真っ直ぐを持っている。
「今後のチーム状況によっては転向も……?」なんて話していらっしゃいましたが、ひとまず体を大切にしていただいて、またどのポジションでも素晴らしいパフォーマンスを見せてほしいです。
もう悲しい顔は見たくない
閉会式が終わり、「ありがとうございました。また、お願いします」と声をかけてくれた常陽銀行の主将・豊島選手の目は真っ赤でした。
常陽銀行の明るさを作っているのは豊島選手だと勝手に思っていて、いつもみんなが笑顔になれるような声かけをしているし、10番がよく似合う選手。
決勝はなかなか流れが来なくて、自身も好機で凡退が続いて悔しいだろうけども主将らしく、みんなが下向かないように精一杯振る舞う。
主将だから当然の行いなのかもしれないけれど、献身的で明るい豊島選手の悲しい顔を見るのが私は本当に苦しくて……次は絶対に笑顔で終わってほしい。心からそう願っています。
自信を胸に、自覚を持って
最後に後輩の話を。
「今日は打球が上がらなかったです……」とチームのヒット5本のうち2本を放った常陽銀行・村田選手も「勝ちたかった……」と肩を落としました。
前回の記事で打撃好調な要因について書きましたけど、今日も唯一の複数安打。初回の好機で一本出たらよかったけど、相手好守に阻まれてしまいました。
常陽銀行に入ってだいぶ変わったと思います。
大学時代は率先して声を出したり、はしゃいだり、派手にパフォーマンスしたりってなかったですけど、明るいチームの雰囲気が引き出してくれたのだと思っています。
決勝もベンチの中心で声出して盛り上げてましたし、ネクストの選手の声をかけたり、9回裏も身を乗り出して声を送ってました。
今年4年目。自分より下の選手がたくさん出始めていて、意識も変わってきたのかな。1年目から試合には出続けていますけど、今季の手応えを自信に、さらにチームの中心選手である自覚を強く持ってチームを引っ張る選手になってほしいという先輩の願いです。
強豪チームに後輩が、しかもレギュラーで出ているなんて夢のような話で。村田選手は大学こそ1年春から試合に出てましたけど、高校3年間は夏1勝もしてないそうなんですよ!元々持っているポテンシャルが素晴らしいのは当然なんですけど、なんという夢のある話……そんなことをいつも思います。これからもたくさんプレー見せてください。次会えるのは11月かな。
御礼
天皇賜杯茨城県大会は2日間、取材させていただきました。
決勝も取材を快諾していただいたどころか、おやつや飲み物までいただいてしまい、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
人の縁があって活動ができています。これがなかったら私はいないと言ってもいいくらい。
後輩がいる、というきっかけだけだったんですけど、茨城まで足を伸ばすようになってサンニッパを見てくださる方もたくさん増えました。
素敵な選手にもたくさん出会え、記事や写真を喜んでくださって、本当にありがとうございます。
筑波銀行の選手たちも面識ありませんでしたが、私が何者なのかわかってるような感じでした(笑)ありがたいことです。みなさん見てくださったかなあ。
おそらく来年も日程さえ問題なければ、県大会におじゃますると思います。
またどうぞよろしくお願いいたします!
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