天皇賜杯千葉県大会 準決勝 AKIRA vs 京葉ガス/写真ルポ/2023.6.21

天皇賜杯千葉県大会 準決勝 AKIRA vs 京葉ガス/写真ルポ/2023.6.21

天皇賜杯千葉県大会、最終日の写真ルポです。
最終日3試合(準決勝2試合、決勝)をひとつの記事にまとめるとすごいボリュームになるので、1試合ずつまとめました。

では早速ご覧ください!

※写真の二次利用・転載はいかなる場合でも禁止です

準決勝 第1試合 AKIRA vs 京葉ガス

京葉ガス
020 000 001|3
000 020 000|2
AKIRA
(京)沢井、織内ー青山
(A)中川ー久保田勇

[試合経過]
初回は双方得点圏に走者を進めるも無得点。
2回表、京葉ガスは先頭の5番・谷選手が左前打。続く6番・青山選手が右翼席へ2ランを放ち先制。
2回裏、AKIRAは2死一二塁で1番・藤井選手が一二塁間へ強烈な打球を放つも、京葉ガス二塁手・花島選手の好守で得点ならず。
互いに走者を出しながらホームが遠い展開。
5回裏、AKIRAは先頭四球から1番・藤井選手の左前打で一三塁を作り、2番・會田選手のスクイズを京葉ガス・沢井投手が本塁へ悪送球。1点を返し、なおも無死二三塁から3番・竹谷選手の打球を遊撃手・山本選手が本塁へ送球もセーフ(記録は野選)で同点。無死一三塁と変わり、5番・久保田勇選手のたたきは投手正面、本塁に送られタッチアウト。一気に勝ち越したかったAKIRAだったが京葉ガス・沢井投手が踏ん張り同点止まり。
7回から京葉ガスは織内投手に継投。AKIRAは先発の中川投手が続投。
決着は9回表。9番・花島選手が中前打。1番・大嶌選手の二ゴロは二塁封殺で1死一塁。犠打と四球で2死一二塁となり、2年目で今季4番を任されている小亀選手が右前へ運び、二走の大嶌選手が勝ち越しの生還。最後は織内投手が三者凡退で締め、京葉ガスが決勝進出。昨年全国準優勝のAKIRAは県大会準決勝で姿を消した。

あとがき

国体予選で1−0の厳しい試合をした両チーム。天皇賜杯でも1点を争う試合となりました。
写真の枚数が物語っているように攻防がいろいろあったんです。選びながら撮っていた時の気持ちが蘇ってきてすごい枚数になってました(100枚超)。

京葉ガスは国体予選を制覇しました。勢いだけでなく全体的な戦力が充実していると感じます。試合前の円陣からリラックスした雰囲気が伝わってきました。

先制2ランの意外な裏側

まさかホームランで先制するとは予想してませんでした。先制2ランの青山選手に話を聞いたら、これまたまさかの回答でした。

「あのとき、サインはエンドランだったんです。『しまった、打ち上げてしまった……』と思ったら、意外と打球が伸びてホームランになりました」

久しぶりに青山選手の大きな一発を見て興奮した私。でも、国体予選から通じでチームバッティングが多く、フリーで打てそうな場面でも本来の打撃が見れないことは気になってました。

「練習からずっとバットが出てこなくて。(打ったのは)カットボールだと思うけど、あれもエンドランのサインじゃなかったら振れてなかったと思います」

35歳の青山選手。ここまでキャリアを重ねても悩みながら練習を積み、うまくいかないこともちゃんと認めて冷静に分析される。今の自分にできることを精一杯やる。よく青山選手とはお話させていただきますけど、さすが捕手といいますか、視野が広くて引き出しが多い。勉強させてもらってます。

京葉ガスは国体予選に続く2冠、6年ぶり2度目の天皇賜杯の舞台に王手をかけました。

「若いから焦るな」とも言ってられない

「同じ相手に2度、1点差で負けていること。この差は何なのかしっかり考えたい」

そう話を切り出してくれた、AKIRAの主将・藤井選手
国体予選と同様に今大会も京葉ガスに1点差で敗戦。昨年全国の頂点まであと一歩でしたが、その舞台に立つことすら叶わなくなりました。

試合後、AKIRAの選手たちが出てくる姿を見ていて、さすがに声はかけられませんでした。私にはまだ、そういうところに踏み込んで取材できる力はありません。感情を入れすぎてしまうからかも。
少し待ったけど、次の試合が始まってしまうのでその場を離れました。
次の試合を撮影中、5回のグラウンド整備のときに場所を変えようと移動したら、スタンドで試合を見ていた藤井選手に会えたので少しだけお話を伺いました。

AKIRAのみなさんとは、一昨年の天皇賜杯千葉県大会初優勝から、水戸市長旗の初出場初優勝、スポニチ杯で日本一。そして昨年の天皇賜杯準優勝と、この2年間、どのチームよりもたくさん試合を見てきたし、お話もたくさんさせていただきました。勝手に私が見ているだけですけど、濃い2年間でした。

今年の国体予選では初めて代表決定戦に進出したものの、京葉ガスと松戸市役所に1日で2度敗れるという経験を初めてしました。
そこから約2週間。天皇賜杯の県大会は前年度優勝ということもあり、シードチームとはしばらく当たらない組み合わせ。とはいえ初(2回)戦は力のあるJAいちかわだったので、ここを乗り越えれば最終日までは順当だろう、と私も安心して他の試合を優先しました(結果、一番心配だった初戦も快勝だった)。

「今日の試合は1点、どちらが取り切るかという展開で相手に最後取り切られてしまった。5回に一気に勝ち越せていたら、流れは違っていたと思うけど」

冒頭の藤井選手の言葉通り、どちらも1点に泣いた試合でした。
国体予選で負けた後、監督兼任の久保田勇選手が「取れるところは確実に取りに行っていいのかも」と話していて、今大会では打順もがらりと入れ替えました。1点のためにすごく考えたのだと思う。この試合しか見てないので他の試合がどうだったかはわからないのだけど。

藤井選手に打順について聞いてみました。

「今大会はこれで行こう、と。抜けた選手のことを言っても仕方がないが、結果そこに入った若い選手が穴を埋めきれなかったこともある。同じことをやれとは言わないけれど、やるべきこと、やらなければいけないことをできるように。すぐ次の試合が来るので、若いから焦るなとも悠長に言ってられない」

主将としてチームのことを考えた、厳しい言葉。でもおっしゃる通りだと思う。濁さず真っ直ぐに話してくれる藤井選手の言葉はいつも私の心の奥底まで届いてくる。こういう選手がいるチームは幸せだなと感じます。

プレッシャーに押しつぶされるのではなく、そうならないために練習を積み重ねる。練習でできていても本番でできないのなら、それは技術以外に心を鍛える必要もある。今がダメなら何かを変える勇気を持つことも大切。できなかったことをいつまでも引きずってはいけない。落ちこんで下を向いて、足元をしっかり見つめたら、顔を上げて前へ進む。そんなメッセージだと私は受け取りました。

「自分はグラウンドへ戻ります」

そう言って球場をあとにした藤井選手。本当にストイック。偏見かもしれないけれど、独立を経験している選手は覚悟というか、腹を括った姿勢というのがやっぱりあるんです。悔いを残したくない、という気持ちがすごく強い。

来月末には水戸市長旗の千葉県大会が控えます。きっと意地を見せてくれるはずです。

選手の声を聞けることに感謝して

撮ることが最優先だけど、写真に残された、その真実の向こう側を知りたい。確かめたい。そういう気持ちをずっともっています。
ひとりでやっているし、本当ならたくさんの選手に聞きたいことがある。でもそれは難しい。特に次に試合がある時は泣く泣く諦めなければならないことが多いです。

この日はたまたまスタンドで藤井選手に会えて、ちょうとグラウンド整備中だったので(そのあと1イニングくらいはつぶいてしまったけど)話をしてくれたことに本当に感謝しています。青山選手のエピソードも、実は決勝のあとに伺ったものなんです。
次に試合が控えている中で、なかなか呼び止めることも私には憚られてしまいます。なぜって、選手たちが試合に集中することが最優先だから。準決勝と決勝がダブルヘッダーなので、試合後はちょっと顔合わせたら「おめでとう」とか挨拶交わす程度はするけれど、話を聞くことはできません。

ほんのわずかでも顔を合わせたら言葉を交わせたり、心の内を話してくれる。本当にありがたいことだと思っています。その言葉の数々はチームを越えて野球をがんばるたくさんの人たちに聞いてほしいし、届けたい。何か、その選手が前へ進めるきっかけになったら素晴らしいじゃないですか。実際に、野球をしてない私でもプラスになる言葉がたくさんあるのですから。

写真もあとがきも長くなってしまったのでこの辺で。
準決勝第2試合も、壮絶な試合となりました。次の記事でお会いしましょう。

準決勝・第2試合の写真ルポ
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