5/28 に行われた代表決定戦2日目、2試合の写真ルポです。
試合の流れを想像しながら、選手の息づかいを感じていただけましたら幸いです。
第1試合 AKIRA vs 京葉ガス
京葉ガス
000 000 100|1
000 000 000|0
AKIRA
(京)沢井、織内、小平ー青山
(A)髙井ー會田
第2試合 敗者復活戦 AKIRA vs 松戸市役所
AKIRA
000 000 100|1
003 000 00X|3
松戸市役所
(A)青山、沖垣ー會田
(松)植谷ー池浦
あとがき
これまでの試合でも、最近の軟式野球全体がそうですが、点数が入る展開が増えました。
なので、この2試合は点を入れされない攻防がすごくて、鳥肌とひとりごとが止まらなかった(撮影しながら「うわー」「すごい……」とか自然と発していた、怪しいカメラマンです笑)。
京葉ガスとAKIRAは、覚えている方も多いかと思いますが、昨年の国体予選で3時間の激闘。ホームランが飛び交う展開は逆転サヨナラ満塁弾で決着という、なんとも恐ろしい試合だったのです。
このときは5回までに1点しか入らず後半大きく試合が動いたので、この試合展開が頭をよぎりましたが、今年は全く逆の展開に。
決勝点はたたきで決まりました。京葉ガスが、大差のついた前日の試合でも徹底してやっていたことです。AKIRAの守備にささいなほころびはありましたけど、そこを逃さず得点する力。そして3投手全員が好投するなんて。
特に6回裏2死満塁でマウンドにあがった織内投手。相手打者は5番指名打者、監督も兼任する久保田勇選手。説明書きのない写真でも緊迫した場面はお伝え出来たのではないでしょうか。
私も撮っていてすごく緊張しましたし、誰をどう狙ったら、このドキドキが伝わるだろうって考えながらカメラを向けてました。実際は私の感情のままが写っているだけなのですが。
結果二ゴロに打ち取り、織内投手・青山選手のベテランバッテリーはさすがでした。大事な試合では経験や引き出しの多さはすごく頼りになります。そして次の回に京葉ガスが先制するのですが、その流れまでもが鳥肌です。わずか1点のリードで登板した小平投手も一切の乱れなく、打者6人をパーフェクト。
京葉ガスは2021年、国体予選を制し関東ブロックも見事に通過したものの、国体が感染症の影響で中止になり全国の舞台に立つことができませんでした。2年越しの全国へ。1度も負けずに最終日までたどり着き、代表へ王手です。
わずか2安打で敗れたAKIRAは、エースの髙井投手が素晴らしい投球をしていただけに悔やまれます。初回の無死一二塁で頼れる中軸に一本でなかったことなど、3度の併殺で好機を生かせず。
30分後にすぐ、敗者復活戦です。
試合後、髙井投手に「ナイスピッチだったよ」と声をかけたら「負けたんで、ナイスピッチではないんです」と言われました。負けたのは失点した投手の責任、と言わんばかりに覚悟が決まっている様がかっこいい。試合中もいろんな表情を見せてくれて、画になる選手だということもみなさまにも伝わっているかと思います。
エースの植谷投手が6失点で昨日AKIRAに敗れ、敗者復活戦から上がってきた松戸市役所。AKIRAと再戦となりましたが、誰が先発するのか注目していたら植谷投手でした。
昨日は先発し7回途中まで投げ、第3試合では5番・一塁でフル出場。その翌日です。「昨日試合が終わった後は『明日やばい』と思ったけど、意外と大丈夫でした」と話してくれた植谷投手。見事に雪辱を果たし、被安打3、1失点で堂々の完投勝利。
「今日はゆったり投げました。昨日使ってない球種を使ったり」と晴れやかな笑顔。
昨日と異なったのは、捕手が違ったこと。「多くは投げさせてないけど、インコースのまっすぐを意識して使いました」と、バッテリーを組んだ池浦選手。植谷選手が投げ間違わないように声かけやジェスチャーで丁寧に慎重にリードしている姿が印象的でした。
実はこの二人、以前組んだことはあるけれどあまり合わなかったようです。植谷投手は「こんなに長い回組んだのは初めて。今日はもう合う合わないじゃなく、やるしかないから(笑) 組ませた監督の起用がすごいです」と笑ってました。
滝沢監督は「対戦相手に合わせて、捕手のプレースタイルを考えて起用してます」と、合わないと思ってた二人がしっかり役目を果たしてくれたことに、手ごたえも感じていることと思います。
「負けてダブル(ヘッダー)は初めてでしたけど、なんか変な感じでした」とAKIRAの主将・藤井選手はまず思いを口にしました。
京葉ガス戦に続き、相手投手に完全に封じられ、1点を返すのがやっとの展開に私も正直すごく驚いて、1試合目の負けを引きずってしまったのか聞いてみると、「切り替えはできていたと思うし、体力的にも精神的にも問題はなかった。ホームランの件は確認をしてほしかったと思うけど、あれがなければ勝っていたとは言わない。今回は1戦目も2戦目も相手投手が素晴らしかった」
いつもストレートな言葉で語ってくれる藤井選手の話がすごく好きで、ただうなずくだけでした。
ホームランの件、とは。試合を見ていなかった人へ簡単に補足しますと、写真にもあったように、松戸市役所・三浦選手の2ランが、ライト・竹谷選手の証言によると「フェンスを抜けて入った」ということで、協議になりました。温厚な竹谷選手があれだけ必死に訴えていたのも気になったし、センターを守る藤井選手は試合後「打球角度的にオーバーフェンスはなかった。フェンスに当たったような音もしたから、せめてボールを確認してほしかった(フェンスの青色がボールについているかどうか)」と話してくれました。
このことを審判さんに物申すつもりで書いているわけではありません。そんな気持ちはみじんもありません。選手の気持ちをただ書いただけ、そう思ってください。私も打球と竹谷選手の追い方を確認して「ホームランかな?」と打者の三浦選手へカメラを振ってしまったので、打球の行く先を最後までは見ていませんでした。
負けられない試合で先発を任されたのは、今年新加入の青山投手。
3失点した3回について「自分の投げミスです。投手陣で『複数点のイニングを作らないように』という意識でやってきたにもかかわらず、3点取られてしまったので申し訳ない気持ち。(自分の)失点パターンとして長打を浴びることが多いので修正したい。打たれた2球はボールでよかったのに……」とゆっくりと言葉を選びながら丁寧に話してくれました。
前チームでの実績もある投手だから期待もされていると思うし、青山投手の加入はAKIRAにとってもすごく大きいので天皇賜杯の予選ではこの悔しさを晴らして、全国へ導く投球を!と願っています。
豊富な投手陣に強力な打撃陣。今年も千葉の中心はAKIRAだろうなと思ってますが、こういう負け方が続いたのは意外でした。今年も兼任監督で挑む久保田勇選手に、1試合目の2死満塁の時のことをどうしても聞きたくてお話を伺いました。
「織内投手が来るのはわかってました。投球練習でスライダーが多かったので真っ直ぐが来るかなと思ったけど、全球スライダーだった。初球の見逃したスライダーが一番甘く、あとは打てる球はなかった」
なんとか食らいついてファールにしながら、打てる球を待っているなと見ていたけど、結果は二ゴロでした。
試合後は監督としての目線で話してくれることが多いのですが、その時は話しながら「くそっ」と悔しさが口を突いて出てしまったのを私は聞き逃さず、ひとりの選手としての感情が垣間見えて、本当に悔しかったんだなというのが伝わってきました。
「(京葉ガス戦の)初回の攻撃(無死一二塁)は確実に行ってもよかったのかもしれない。固い野球をできるメンバーが抜け、オープン戦は打ちまくって勝ってきて、それが今年のカラーだと自信をもって挑んだ。だけど、投手が充実しているからこそ、取れるところは確実に取りに行った方がいいのかな、と」
この国体での敗戦が、次の天皇賜杯予選につながることは間違いなさそうです。どんな負けでも全て力に変えてきたみなさんだから。天皇賜杯予選では県3連覇がかかってます。昨年は全国の頂点まであと一歩でした。次の試合を楽しみに待ちたいです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます(今回は長かったですねー)。
あれ?京葉ガスの選手の声がなくない?と思った方。そうなんです。すみません。
なぜかというと、試合と試合の間が短いので、球場の外に出て話を伺う時間がないんです。撮ることを最優先にしてますので、スタンドで会えた時に話を聞いたりなどができればするのですが、天台は球場の構造上それがすごく難しいんです(客席が広すぎる)。岩名だと客席も狭く、動線もひとつなので話を聞きやすいんですけどね。
なので、基本的にはその日の最後の試合の選手には、気になったことがあれば伺ったり、いいプレーがあったら声をかけさせていただいてます。
みなさん疲れているにもかかわらずすごくたくさん話してくれるので感謝しかありません!こうして写真や記事を掲載することで、何かお返しができていればいいなと思っています。
いよいよ、国体千葉県予選会もあと1日。
今年は最後まで連戦ではなく、最終日まで4日空きます。両チームの選手が、万全な状態で挑めるような配慮なのか、確認していないのでわかりませんが……。
最終日は6月2日。場所は千葉県総合SC野球場(天台)で9時プレイボール。
京葉ガス vs 松戸市役所です。
京葉ガスは1度も負けてないので、勝てば代表決定。
たとえ敗れてもまだ1敗なので、もう1試合チャンスあり。ダブルヘッダーで第2戦を行い、勝った方が代表決定となります。
松戸市役所はすでに1敗して敗者復活戦からの勝ち上がりなので、京葉ガスに連勝が絶対条件。とても厳しいですが、昨年同じ状況で京葉銀行に連勝していますので、可能性がないわけではありません。
平日ではありますが、お時間ある方はぜひ足を運んでください!
私も最後まで見届けます!