優勝は佐賀県代表・井手解体実業!始動1年目、12人でつかんだ頂点|高松宮賜杯第68回全日本軟式野球大会(2部)

優勝は佐賀県代表・井手解体実業!始動1年目、12人でつかんだ頂点|高松宮賜杯第68回全日本軟式野球大会(2部)

9月9日、準決勝と決勝がダブルヘッダーで行われ、全力応援してきた佐賀県代表・井手解体実業が優勝しました!

3日で5試合の過酷な大会。5試合中3試合が逆転勝ち。
粘り強さとみなさんの優勝への執念が結果につながって最高にうれしかった。写真を見て、撮っていたときの熱い気持ちが込み上げてきました。本当におめでとう!!

写真盛りだくさんでいきますよー!

準決勝 井手解体実業(佐賀)4−1マグチグループ(大阪)

「関西弁のヤジが、高校時代を思い出して懐かしかったです」
試合後、大阪桐蔭出身の江島投手が笑顔でこう話してくれました。ゆかりのある大阪府代表が相手だなんて、不思議な巡り合わせ。
「先制されても焦ることなく、落ち着いて投げられました。だけど、7回はもう握力が限界でした」と肩に不安のあるなかでもあれだけの真っ直ぐ投げられるのは魅力的。緩急も冴えて、相手打者を翻弄してました。

ビッグプレーでチームを救った、セカンドの藪野選手。あれが抜けていたら1点差、なおも一、三塁となっていたところ。「グラブ閉じれなくて、当てて落とすのが精一杯でした」と言ってたけど追いついたのがすごいし、冷静に前に落としてベースを踏めたのが素晴らしい!使用しているグラブは宮森選手のものらしいです。いい関係性!

そんな宮森選手。貴重な追加点のソロアーチ。打った瞬間角度がよかったから、私は確信して打球を追わずに宮森選手を追いかけてました。だからベンチに指差す最高にかっこいい1枚が撮れたのです!9番打者がここまで勝負強いと相手も嫌なはず。

先制点は古川監督の鮮やかな叩きでした。私これまでにも何度も見たやつです。三塁に行けば、必ず何とかしてくれる。絶対的な信頼と安心感があります。C級の大会でこれ決めたら、相手もそりゃびっくりします。

この日は球場入りからアップもそうだけど、相手選手がちょっと圧倒されて眺めている様子がありました。それだけのチームを短期間で作ってきた監督も、みんなもすごいなあ。

いよいよ、決勝戦です。
ここまで簡単な試合はありませんでした。コールドは1試合もなかったし、12人で総力戦だし。だけどそれが今のこのチームの強みだと思います。頂点まであとひとつ!

決勝 井手解体実業(佐賀)4−2 SANKO(岐阜)

本当に優勝してしまった……すごすぎる。
いや、優勝できると思ってたけど、優勝したら私泣くかなって思ったんだけど、感動よりも涙が出てこないくらい圧倒されてしまいました。おめでとう!強すぎた!!

アップの雰囲気から、もう別格でした。その流れで初回から得点を重ね、5回に1点差に迫られたけど、全然心配してなかった。みなさんなら大丈夫と。


準決勝を終えて、帯広の森に移動し選手たちを待っていたら、谷口投手が「頑張ってきます!」ととってもいい顔で球場へ入って行きました。
試合中もずっといい顔で、緊張は全くなかったそう。ただ前日の完投の影響で腕が張っていて「トップが上手く作れなくてばらついたり甘くなったりしたけど、野手たちに助けられました」
序盤に点を取り、懸命に守ってくれた野手たちに感謝していました。エースらしい、堂々とした投球だったと思います!

谷口投手がすごくいいこと言ってたんです。
「試合になったら調子いい悪いとかじゃなくて、やるしかないから」
気持ちが強いって監督が言ってたけど?と尋ねると「全然そんなことないです。自分は実力もないと思ってるし……でも負けず嫌いなのかな」と。
根拠のない自信みたいなものがあると言ってました。それでいいんです。ピッチャーなんて特に、マウンド上がったら自分が1番だって。打てるものなら打ってみろって、そのくらいでいい。表情は穏やかに見えたけど、言葉の端々から強さを感じました。いい投手だなあ。

ここまで4試合全て途中出場も、いいところで打っていた江口選手が決勝は4番ライトでスタメン!
江口選手、細身なんだけど振りが強いし、積極的に振りに行ける度胸も見ていて感じます。途中出場で結果を出してこれたのは、ベンチにいてもきちんと試合に入れているから。決勝では先制打!本来は投手だそうで、来年は投げてるところも見れるかな?

8回の1点が大きかった。
この試合、3人で終わった攻撃が一度もなかったんです。それだけに、追加点が取れずに中盤もどかしかったかもしれないけれど、みんなで耐えて掴み取った1点。
全打席出塁の9番宮森選手からの頼れるキャプテン1番木岡選手の流れがこの試合は特に最高でした。

そしてみんなよく守りました!
コーチ兼任の鶴田選手が教えてくれたのですが、セカンドの藪野選手は二塁ベース寄りの打球が苦手だったそうで「ミスのパターンは決まってて、だからそこだけを練習させた」と、成果が出たじゃないですか!準決勝のビッグプレーも決勝の好守も二塁ベース寄りの打球でした。

準決勝で送球ミスが続いて決勝前、ちょっとナーバスになっていた宮森選手に「さっきと違う球場だから大丈夫」って私は声かけたんですけど、監督からは送球前に一呼吸置くことをアドバイスしてもらったみたいで、同じミスはしませんでした。守備の不安がなくなると、打撃に集中できますからね。よかった!

決勝は取材申請をして、撮影に臨みました。
カメラ席(本来はグラウンドキーパー室みたいだけど)があるのをわかっていたので、みなさんの近くで試合を撮りたかった。
「佐賀県代表が決勝進出した場合」と条件付きで申請したけど、その通りになり全軟連の担当の方は驚いてました。だけど私は自信があった。ここまで連れてきてくれてありがとう。いい写真たくさん撮れて大満足だし、みんなと一緒に喜べたことが本当にうれしかったです!

閉会式

もう、ほんとに言うことないです。最高の大会でした!北海道まで来てよかった!!

最優秀選手賞は準々決勝、決勝と完投した谷口投手。優秀選手賞に最強の9番、宮森選手が選ばれました。

エースらしく、登板した試合は最後までマウンドを守り抜いた谷口投手。
3日で5試合を戦わなければならず、完投してくれるのは大きいです。12人しかいなくて、投手が4人いるのもすごいんですが……しかも谷口投手、登板しない試合では指名打者に入り、場合によっては守備につくこともあったんです。投げる試合は指名打者を使わず、自ら打席に立ちます。なので全試合出場でした。文句なしのMVPです!

ずっと最強の9番と言い続けてきた宮森選手が受賞できてすごくうれしい!
私のスコア上では15打数7安打(1本塁打)5打点、打率.467なんですが(公式記録じゃないので参考までに)これ9番の成績ですよね……えぐすぎました。打席ではとても自然体で、3日間ずっと振れてました。
2回戦、試合を決める走者一掃の適時二塁打。準々決勝の勝ち越し打。準決勝は貴重な追加点の一発。決勝は2安打2四球の全打席出塁。MVPでもおかしくない成績だと思います!

キャプテンの木岡選手は「嬉しいけど、勝って当たり前の中で優勝しなければいけないプレッシャーがあった」と話してくれました。1年目で12人しかいないけど、練習環境や練習量、選手の経験値を考えたら……確かに。よく乗り越えて、気負いすぎずに優勝をつかみ取れたと思います。強い!

「優勝できてよかったし、何よりみんなが本当によく頑張った」と古川監督は喜び+安堵の表情って感じでした。3日で5試合、この人数できつかったと。いや、たぶん監督自身が一番きつかったんじゃないかな。
選手としての自分だけに集中できないし、やることも考えることもすごく多いだろうし。自身の成績としてはふがいなさもあったかもしれないけれど、みんなが助けてくれたし、12人がひとつになれたから掴めた優勝だと思います。

これまでA級の主要大会で数々のメダルを獲ってきた古川監督は「また違う種類のメダルが増えた」って笑ってたけど、一番取りたいメダルを手にする日まで……「これがスタートなんで」その言葉に全てが詰まってました。長い道のりだけど、きっとたどり着くはずです。

ひとまずこの記事はこの辺で終わりにします。

この記事の続きを別の記事にまとめたいと思っていて。
みなさんに初めてお会いした3月から、全国制覇までの話。
ここに書くと長くなりすぎてしまうんで……そっちはさらに暑苦しい話になりそうな予感(笑)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次の記事も楽しみにお待ちいただけたらうれしいです。

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