激闘の国体千葉県大会最終日を振り返ります。まずは第1戦。写真を見返して、息詰まる試合展開が鮮明によみがえります。
試合結果は以下の記事をご参照ください。
予選から1度も負けずに最終日まで勝ち上がった京葉銀行と、代表決定戦1日目で延長の末京葉銀行に敗れ、敗者復活戦を勝ち上がってきた松戸市役所。
この2チームの対戦はいつももつれるんです。
2017年の国体予選は最終日に松戸市役所が連勝、2019年は代表決定戦で延長15回、松戸市役所に敗れた京葉銀行が敗者戦から勝ちあがり最終日に連勝で雪辱。そして2022年も同じように3度対戦することとなりました。
第1戦の先発は松戸市役所・植谷投手、京葉銀行・古川投手。代表決定戦1日目で対戦したときと同じ。
京葉銀行は1回表、いきなりヒット2本と四球で2死満塁のチャンスを作りますが、松戸市役所・植谷投手が三振で切り抜けます。
京葉銀行の先発、古川投手は2死から四球を与えたもの、テンポよく無失点。古川投手は2回以降ひとりの走者も許さず、ノーヒットピッチングを続けます。
2回、3回と松戸市役所・植谷投手も三者凡退で抑えます。3回にはベテラン、酒井選手の好プレー!野手も植谷投手を盛り立てます。
4回表、試合が動きます。京葉銀行はこの回先頭の4番・中川選手がヒット、投ゴロで二塁へ進み、果敢に三盗成功!この場面で思い切ったサイン。素晴らしい走塁!
1死三塁とし、6番・蛭田選手が膝をつきながらエンドラン成功。中前に抜ける適時打となり、京葉銀行が1点を先制。
なおも1死二塁とチャンスは続きますが、松戸市役所・植谷投手が踏ん張ります。5回も一、二塁と走者を背負うも追加点は与えず。
なかなかヒットの出ない松戸市役所。キャプテンの折橋選手を中心に円陣を組みます。
5回裏、松戸市役所5番・菅原選手のレフト前に落ちそうな当たりを京葉銀行のショート・雪下選手が背走してナイスキャッチ!雪下選手の守備はいつも忍者みたいだなって思って見てます。ものすごい跳躍をしてライナーを好捕したプレーもありました。
5回を終わって1-0で京葉銀行がリード。古川投手の快投は6回以降も続きます。
7回表、松戸市役所は1死から井橋選手が四球。初回以来の走者。内潟選手の一ゴロで2死二塁と一打同点の場面も5番・菅原選手は遊ゴロ。悔しさをにじませます。
松戸市役所の植谷投手が8回表を3人でテンポよく終わらせると、その裏待望の初ヒット!6番でスタメンの小道選手。
京葉銀行・古川投手は初ヒットを許すとここで降板。少し驚きましたが、山﨑投手に継投。京葉銀行も勝負をかけます。
8回裏無死一塁。7番・植谷選手はファールふたつで追い込まれるも、必死で食らいついた打球がセカンド後方にと落ちるヒット。無死一、二塁とチャンス拡大。
松戸市役所は代打・奥川選手がバントを試みるも投手の正面をつき三塁封殺。送れずに1死一、二塁。そして9番・酒井選手が振りぬいた打球。
センターの前で大きく跳ね、その間に二走植谷投手が生還し同点に!昨日も同じような打球を見ました。ここの芝はよく跳ねるのでしょうか……。一塁走者も三塁まで進み、1死一、三塁。ここで松戸市役所は1番、キャプテンの折橋選手に代打。
真中選手の打球は一塁手を強襲し、グラブからボールがこぼれる間に三走奥川選手が生還し逆転!塁上で真中選手はガッツポーズ。
今季は一線を退き、チームを支える立場になりました。オープン戦もほぼ出場せず、今季2度目の打席だったそう。ベテランの一打にチームが勢いづきます!
京葉銀行はここで山﨑投手からルーキーの松島選手へ。力強いまっすぐを持っている松島投手。1年目ですがこの難しい場面での登板とは、かなりの信頼を得ています。
松戸市役所2番・大崎選手の打球はピッチャーゴロ。しかし松島投手が本塁へ悪送球。さらに1点を追加され2点差に。
大崎選手は二塁まで進んでいて1死二、三塁。3番・井橋選手は当たりそこないの投ゴロ。しかし足の速い井橋選手は一塁セーフ!松島投手、打ち取っている打球も不運でした。なかなか流れを断ち切れず苦しいマウンド。
4対1となり、残す攻撃は9回のみ。これ以上の失点は厳しい京葉銀行。松島投手は続投。松戸市役所は4番・内潟選手。
大事な場面で試合を決める一打!
右前への2点適時打となり、大きくほえる内潟選手!松戸市役所は土壇場で初ヒットから一挙6点を奪い逆転します。なんという集中力。そして流れの怖さを感じたイニングでした。
円陣の輪が解けると、古川投手が松島投手に声をかけました。なんと言っているのかはわかりませんが、伝わるものはあります。
松島投手、前日のJAいちかわ戦では延長で勝ち越したあと最後のイニングを任され、2奪三振で圧倒。それでも「緊張して足がガクガク震えてました」。おそらくこの試合もものすごいプレッシャーと緊張の中マウンドに立っていたのだと想像します。まだ1年目。これも経験、と言ってしまえば簡単ですが、大事な場面を任された以上1年目とか関係ありません。つらかっただろうな……と胸がいっぱいになりました。
最終回も松戸市役所は植谷投手。最後まで好守が支えてくれました。3人で締めて試合終了。松戸市役所が大逆転勝利で代表への望みをつなぎ、勝負は第2戦に。
植谷投手は昨年、大事な試合で勝ち切れないことが多かったので、こうして結果が出せて本当によかったです。しかし2戦目に勝たなければ、この勝利も報われません。試合後、球場の外ですれ違ったので「おめでとう」と声をかけると「とりあえず、よかったです。次もリリーフで行けるように準備します」とホッとしすぎていないというか、まだ気持ちがしっかり続いていました。
まさかの大逆転で代表王手から逆王手をかけられてしまった京葉銀行。昨年県大会優勝を1度も成し遂げられず再起を誓う今季です。京葉銀行が簡単に負けるわけはない、そう思っています。
第2戦は30分後。どんな試合が待っているのでしょうか。