国体千葉県大会、1番の驚きはAKIRAの監督が久保田勇眞選手になっていたこと。
専任ではなく、兼任です。昨年同様、6番・捕手としてスタメン出場。
予選2日目、昨年の優勝チーム・京葉ガス相手にサヨナラ弾を浴び敗退。悔しさが残るなか、試合後にお話を聞かせていただきました。いつも私が聞いた以上のことをわかりやすくお話ししてくださる久保田選手。今回聞きたかったのは➊兼任監督の大変さ➋やること多くて大変なのになぜ打席で集中して結果が出せるのか、この2点でした。
京葉ガスとの一戦。兼任監督の久保田選手がどんな姿を見せてくれるのか、注目して撮ってました。第一印象は想像していた通り”とにかく大変そう”。サインを出したり、自分の準備をしたり。休む暇はありません。
「裏に行って休む時間はなくなりました(笑)常にクーラーボックスを脇に置いています」
そうだよね……水を飲むのですら精いっぱいに見えたし、それでいて捕手としての仕事もあるし、打つ方も期待されている。打席で集中できるのかな。
そんな私の心配は全く不要でした。
6回に同点ホームラン、2点を追う9回2死満塁の土壇場で同点タイムリー。
なんという集中力。
「捕手と打者では別人になれるんです。切り替えは自然とできています」
そうだったんだ……すごい。
あれだけ試合中考えることがたくさんあるのに切り替えられるなんて。
「防具外して打席に立ったら別人になってる」
そのくらい自然と切り替わってるようです。
すごすぎる。私、久保田選手の話を伺ってるとき「すごい」って何回言ったかわからないくらいずっと「すごい」って言ってました。
以前、試合を決めるホームランを打ったときにも「まずは『捕手として』があるから、いいところで1本打てればいいと思っていた」と聞いて、やはり捕手と打席との両立って大変よね。でもさすが勝負強いな、と思ったのに、今年は監督という役割もプラスされてもなお、です。
「考えるのが好きなので、監督業も楽しくやれてます」
捕手というポジション柄なのか、考えるのが好きというのはわかる気がします。でも超大変なのに「楽しい」という言葉が出てくるのもまた「すごい」の一言です。
「慣れない頃は自分の打席が終わったら走者がいることを忘れてベンチへ戻る途中に『久保田!サイン!』と言われることもよくありました(笑)今はもう大丈夫です。サインを出してくれる人が他にいてくれたら少し楽になるのですが、なかなか難しいです」
一息付ける瞬間すらないのに、どのポジションでも最大のパフォーマンスを出す。しかも楽しめている。
こんな選手見たことないです。
予選敗退となった国体千葉県大会。
天皇賜杯へ雪辱を期すことになります。
「バッテリーを含め、守りをもっとしっかりやりたい。投手の奥底の気持ちはわからないけれど、結果的に気の緩みと捉えられてもおかしくない打者にやられてしまった」
3本打たれたホームランはいずれも2死からで、ルーキー、投手、途中出場で初打席の選手でした。
「高井が打たれた(サヨナラ満塁弾)のも自分が悪かった」
この言葉を聞いて、この1枚を思い出しました。
監督として、捕手として、自分がもっとできたことがあった、そういう意味なのかなと。
「悔しさをバネにして成長できる人たちだから心配はしていない」
昨年、大躍進をして県内のみならず東日本や全国でもタイトルを獲ったAKIRAのみなさん。否が応でも今季は全チームが「打倒AKIRA」で向かってくるのは当然です。
うまくいかない日もあります。
それでも久保田選手が「心配していない」と言い切れるほど信頼している選手たちだから、必ずこの悔しさを晴らして最高の結果を出してくれるんじゃないかなって期待してしまいます。
天皇賜杯まであと2週間を切りました。
兼任監督として宙に舞う瞬間は訪れるでしょうか。引き続き注目して見ていきたいです!
久保田選手、充実したお話をありがとうございました。
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