328 Player’s voice / 国スポ千葉県大会 2025.6.1

代表決定トーナメント1日目 千葉4強はすごい試合にしかならないので覚悟はしていたけど……濃すぎる3試合。選手のみなさんの声と、私の感じたこと熱くお届けします！ 第1試合 AKIRA 5-1 松戸市役所（12回タイブレーク） AKIRA・竹谷選手 11回均衡破る先制弾 「相性ですかね……ずっと外攻められてて打てる球来なくて、やっと内側に来ました。」 竹谷選手は2021年天皇賜杯千葉県大会で植谷投手から9回に代打逆転２ランを放ち、チーム初の天皇賜杯出場に導いた過去があります。あれは球場で見ていた全員が予想してなかった一発で、それまで出場機会にあまり恵まれなかった竹谷選手がレギュラーを掴むきっかけになったし、なによりAKIRAが大躍進するプロローグになった試合でした。 植谷投手と竹谷選手は同学年。これからも名勝負がたくさん見られるのかと思うと楽しみでなりません！ AKIRA・久保田勇監督 12回完投の吉田投手をリード 「吉田（投手）は本当にいい。球の質もそうだけど、何より投げ間違うことがない。コントロールが素晴らしい」 えっと、吉田投手にビビって話が聞けなかった私をお許しください（笑）対戦した松戸市役所の選手に聞いても、真っ直ぐだけなら吉田投手より速い投手は千葉にいるけど、ベース盤のギリギリに制球されるコントロールがすごかったと。それでも松戸の酒井監督は「うちの選手はよく対応して打ってくれた」と労ってました。 松戸市役所・植谷投手 220球の熱投 「追いついてくれたけど、10回はもう気持ちが切れてしまった……（第3試合で敗者復活戦）220球投げたけど、まだいけるかも」 220球って……高校野球でもないですよ。予選の京葉ガス戦で相当苦しい投球で、この日はその時よりもいいリズムで投げられていたと思うし、吉田投手との投げ合いは見応えがありすぎた。植谷投手より良い投手は松戸にいないので、彼がダメならダメなんです。それは本人もわかっているし、話していると全然すごくなくて（ごめんなさい）飄々としてて、でもすごく考えてる。 「四球が多すぎました」と反省も口にしていたけど、四球でも良いとあえて長打を避けて勝負しないスタイルも最近の植谷投手だし、池浦選手としっかり9回までを想定して試合を組み立てているなというのは見ていていつも感じる。 真っ直ぐでゴリ押ししていたスタイルから、フォームでも緩急を使い「大人な」投球スタイルを習得した植谷投手は各チームが口を揃えて「本当にいい投手」と一目置いている存在。牽制のうまさや打撃の良さなど本当に器用な選手で声出しも楽しいので、もっとみんなに注目してもらいたいな。 第2試合 習志野市役所 2-1 京葉銀行 習志野市役所は京葉銀行相手に初勝利らしい！！です！！ 習志野市役所・竹中選手 守備で攻めるプレーも…… 0-0で迎えた6回1死一三塁、小池選手の叩きを本塁送球も野選で先制許す。「（本塁間に合うと思って投げた？）いけると思って投げた。ボール一個分、送球が高く行ってしまった。直前に内野で『無理せずひとつずつ』と自分から声をかけたのに……」 絶妙だったんですよ。確かに竹中選手ならいけると私も思ってカメラを向けた。きっとこれは聞きそびれたけど、京葉銀行・松島投手の出来からして1点勝負になると思ったはず。だから1点もあげたくなかったし、守備に自信持っている竹中選手だからこその紙一重のプレーだった。めっちゃしびれました。竹中選手の守備大好きです。ほんと。 習志野市役所・西秋選手 代打で初球同点弾！ 「ちょっとバットの先だったけど、うまく運ぶことができました」 これは想定してなかった！！！飛ばせる力は十分にある西秋選手だけど、ここまでほぼ完璧だった松島投手から代打で初球しっかりスイングかけられるのも素晴らしいし、チームに勇気を与えるホームランでした！！ 習志野市役所・宍倉選手 完璧な勝ち越し弾！！ 「（真っ直ぐ狙ってた？）カウントが3-1だったので。あんなに完璧なホームランはなかなかないんで、嬉しかったです！」 もう大興奮！！撮っているこっちが！！打った瞬間それとわかる打球。すぐに拳を突き上げた宍倉選手。3-1から真っ直ぐ狙うのもさすがキャッチャーだなと思ったし、何よりこんなに喜びを爆発させている宍倉選手を見れたのがもう胸熱で感動だったのですよ……いい笑顔すぎだし！前の試合でも気迫のヘッスラを見せてくれたり、宍倉選手ってこれまであまり全面に闘志出す感じではなく、静かに燃えている選手という感じで見てたので、もうね……泣きそうでした。 今年の習志野市役所は全体的に熱が高くて、アツいんです！声もよく出ているし、攻撃中もほとんどの選手がベンチで前のめりになって試合に入ってる。こういう習志野が見たかったし、元々選手たちのポテンシャルは素晴らしいチームで、足りないのはその部分だと思ってたので、今年の習志野はやりそうですよ……！ 習志野市役所・石川投手 熱く冷静に初勝利導く 「（最終回、1死一三塁のピンチ）割とずっと冷静に投げられました。先制された場面もエラーが絡んでたけど、落ち着いてました」 石川投手比で圧倒する感じは今日はなくて、走者もそこそこ出していたし、ピンチもあったんだけど、本人もおっしゃっていたようにそういう場面での落ち着きと、ギアを上げた投球がさすがだった。最終回、1死一三塁で空振り→エンドラン失敗でピンチを切り抜けたんだけど、空振り取った球が完璧すぎて鳥肌……あそこで投げ間違わないのすごすぎん？って……。 マウンドにいるとニコリともしないし、なんかね、すごく戦ってるの。その表情とかみなぎっているものとかファインダー越しにいつも圧倒されていて……でも必ず野手が全員戻ってくるまでベンチ前で迎えたり、試合後に話をしてくれる時はいっつもニコニコしてて細かく詳しく話してくれる一面もある。いつもありがとう！次の登板機会も楽しみでならない！！ 第3試合（敗者復活戦）京葉銀行 4-1 松戸市役所 京葉銀行・雪下選手 主将としてベンチでチームを鼓舞 「首の皮一枚、つながりました。やはり取れる時に取れる点を取っておかないといけない」 ミスにつけこむ、いやらしい京葉銀行の野球が帰ってきた！とこの試合を見て感じた。珍しく松戸市役所の内野にミスが出て、そこから畳み掛ける京葉銀行のベンチワークに懐かしさを感じた。その中心は雪下選手。 今年の京葉銀行は、昨年試合に出続けたルーキーたちが2年目を迎え、頼もしくなった。さらに雪下選手、兵藤選手、小野田選手と全国制覇を知る中堅、ベテランたちがチームのために尽くしてくれている。その姿は胸にくるものがあるし、彼らがいる時間も限られてきているので、今試合に出ている選手たちは３人の姿勢をしっかりと受け継いで、強い京葉銀行を復活させて欲しい。 松戸市役所・奥川投手 できることをやるだけ 「（今年37歳の大ベテラン）もう以前みたいに精一杯投げて140とかは出せない。若い選手も力をつけてきているし、自分は今できることを精一杯やるだけ」 ずっと投手一筋で、松戸市役所に入ってからは投手も野手なんでもできて、チームの中心で走り続けてきた奥川投手。どこか話していてももう達観している感じがする。奥川投手のこと、ずっと推して応援してきた私だから言うけど、本当にすごいのよこの方は！！！数年前からは、話していても自分のことより、チームに対する思いがより強くなっている気がする。 「あと何年できるかわからないけど、京葉ガスの秋田、青山、京葉銀行の兵藤と同級生も頑張っているから……」と彼らに刺激をもらいながらも、チームのためにできることを精一杯還元してる。そして「植谷をいいところで投げさせてあげたいから」と、チームの大黒柱にもっといい舞台で投げてもらいたいという心意気……泣くしかないでしょ……こんなの！！やっぱり奥川投手好きです！！体もボロボロだと言っているけど、最後の最後まで応援します！！ 松戸市役所・池浦選手 天皇賜杯でリベンジします 「悔しいです……天皇賜杯でリベンジします」 試合後、私がスタンドで機材を片付けていたら、グラウンドの池浦選手と目が合った。その目は真っ赤で、絞り出すようにこう話してくれた。 池浦選手の、捕手としての献身的な姿が大好きで、チェンジの時は必ず投手の元へ近づいてグラブタッチをしたり声をかけたり、リードも丁寧に投手が投げ間違わないように声でジェスチャーで指示を出したり。すごく温かい選手だなと思う反面、責任を背負いすぎてしまうところもあったりして、それがいいところでもあったり、見ていて苦しいところでもあったり。 試合中、明らかにもう気持ちが切れているというか、落ちているなって見てわかってしまったので、そこが優しさでもあるんだけど乗り越えて強くなって欲しいな！と期待してる。天皇賜杯でリベンジしような！大丈夫だよ。自分を責めなくていい。そして、らしさは失わないで欲しい。 選手のみなさん、いつもありがとう！ 試合間が20分とかなので、トイレ行って選手に話を聞いたら次の試合は始まっていたりして、でもこの日はどうしても聞きたいこともあったから無理をして選手を待った。 短い時間でもひとこと、生の声を聞けると全然違う。その一言が私の写真により彩りを与えてくれる。 本当にみなさんいつもありがとう！国スポ千葉県大会もあと2日。どうなるかわからないし、私も平静は保てないけど、心は熱く頭は冷静に、おもいっきりみなさんのプレーを楽しみたいと思います！！

328 Player’s voice / 国スポ千葉県大会 2025.6.1

第1試合　AKIRA 5-1 松戸市役所（12回タイブレーク）

AKIRA・竹谷選手　11回均衡破る先制弾

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